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たつみひろしさんの手記より

 遍歴でも記載した通り、クロはたつみさんの作品を通じてMに目覚めました。そのたつみさんが、スレイブ通信Vol.9に珍しく告白手記「ある夏の日の思い出」を投稿されています。かなりフィクションが入っている印象ですが、SM誌への投稿ですので煩いことは言わないことにしましょう。手記によればたつみさんは短大のデザイン美術科に席を置き、学生時代より既にSM誌の仕事を請け負っていたそうです。クロと違って絵がご専門だったわけで、たつみさんの原画が放っていた凄みの理由が判かりました。

足と脚の画像 告白手記となっていますが、内容はたつみさんの劇画作品そのものと言ってよく、顔面騎乗あり、足踏みありです。かなり盛られているなと思いました(笑)。劇画であれ、文章であれ、たつみさんの秘めた妄想を表現しているわけですから、当然、同じような内容になります。

 たつみさんは「出版同好会」という10名程度のサークルに入られていました。たつみさん以外は女性で、かつ皆さん美人で体格も良いという何とも羨ましい状況だったようです。舞台は淡路島で行われたサマーコンパでした。たつみさんの献身的な様子に、明美会長はマゾ性を見抜きます。たつみさんは意を決して足フェチマゾであること、更にはSM誌に作品を投稿していることまで告白します。多感な女子大生がたつみさんを放っておくことはなく、劇画の世界が再現されることとなったのでした。

 手記の後半、女性陣による「顔面圧迫尻責め」と「蹂躙(じゅうりん)責め」が展開されます。蹂躙という言葉は踏みにじることを指しますが、たつみワールドを表すのにピッタリだと思いました。文章には場面場面を詳細を記述できるという絵には無い利点があります。女性のお尻が徐々に迫ってくる瞬間の心情、10人全員の足指での踏みつけらる快感等が、手に取るように伝わってきました。仮にたつみさんの劇画を知らない人が読んでも、主人公になり代わりたいと思わせる文章となっています。

足と脚の画像 「女体千人切り」ならぬ「女足千人踏まれ」という願望で手記は締めくくられています。挿絵にもたつみさんの想いが溢れています。圧倒的に巨大な女性がブランコで勢いをつけて、たつみさんの顔面へ舞い降りてきます。たつみさんにとって、理想の終焉だったのでしょう。

 当時は「たつみさん=素足責め、春川さん=お尻責め」のイメージが強く、手記の中で顔面圧迫に対する想いが綴られていた点は意外でした。顔面圧迫を、仲々深い味わいのある幽玄で甘美な責め、と表現されています。たつみさんのモチーフは、後年、素足からお尻・黄金へとシフトします。責め方も、よりハードになっていきました。経年による嗜好の変化と捉えていましたが、潜在的な願望は学生時代にあったことになります。手記を通じて、たつみさんのMライフを俯瞰した思いです。

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